オルメカの巻(96年12月)
メキシコシティからメキシコ湾に出て、海沿いを南下する激走1000キロの旅だった。ひたすらナンセンスともいえる巨大な石頭から石頭へと。マヤ文明より古い紀元前2000年のオルメカ文明のものだという。私としては、陽気にアミーゴ!と叫ぶサボテンブラザースのような旅をしたかったんだが、もう気分は考古学者「なぜ、こんなものが」と真面目に謎解きなぞしちゃったのだ。
これがその石頭(オルメカヘッド)。高さ2メートルはある。
ここ(ビウエルモサ野外博物館)では体全身、蚊に刺されちゃって、それがなんと日本に帰ってから一週間後に猛烈にかゆくなるというタチの悪い蚊。メキシコは人間だけでなく、蚊でさも時間のサイクルが長いというか、のんびりしている。もう変な病気にかかったみたいで、好きなサウナに行けやしない。
このツゥストゥラ山の石を運んで、石頭を作ったらしい。石頭のあった場所から100キロも離れている。オイオイどうやって運んだだよ。それにしてもこの見事な青空、この空が日本につながっているとはとうてい思えなかった。ハードな撮影をぬっての一休み。強烈な陽射しの木漏れ日。もうどこにも移動したくないと思っていた。サンロレンツの村。時間の止まった村だった。となりの女性は、このサンロレンツ村に唯一あるレストランのウエイトレス。メキシコの女性はたいていが小柄でかわいい。この女性も小さくて、村一番のボニータ。何度もお勘定を計算しなおしている姿にひかれました。
紀元前2000年も前のとうもろこしの種類だって。ポップコーンにして食べさせてもらったが、味は同じ。とうもろこしの生命力に脱帽。実の一粒はスイカの種位の大きさ。
可愛いよ。けらけら笑う、笑い方は日本の子と同じ。子供はもちろん大人だって、メキシコの田舎は日本の国が存在している事さえ知らない。チョンマゲ結った日本人思われるより、知らない方がいいかもね。村(サンチアゴ・ツゥストゥラ)の靴屋で、スニーカーを購入。革製で3千円、安い。
その買った靴を履いて、村を散歩。その途中で見つけたのがこの石の彫刻。日本にもよくある道祖神のメキシコ版。人類文化万国共通!。
スタッフと私とひろきち。女性のプロデュサーにディレクター。危険な遊びのできない旅でした。撮影チームの男性の男らしくて優しいこと。男女の関係も変わりました。夕日に向かって走るスッタフ達の涙のチョチョ切れるような話があるんですが、それはまたの機会に書きましょう。
ちなみにテキーラはトマトジュースと対で飲むものだったんですね。