マニラの巻(96年7月)
フジテレビのメトロポリタンジャーニーで、いとうせいこう君とマニラの旅にでかけた。私のほうがずっと年長なのだが、いとう君がテキパキ指示をだす。私は犬のようについていく。私にとって旅の計画などどうでもいい。非日常的時間と未体験の空気があればいいのだ。
マニラと言うと犯罪都市というイメージがつきまとうが、百聞は一見になんとかでなかなかどうして市街を歩く人は気の弱そうな、それでいて明るい、人なつっこそうな顔をしていいる。あの顔が夜になると変わるとも思えない。マニラに住む人がみんな恐い人だと思っていたとは、日本人が全員ヤクザと思っているのと同じ事。深く反省しております。どこの国に行ってもそうなのだが、市場とかデパートは楽しい。その国の生活状況がよくわかる。マニラの電気街はけたたましい、どでかいスピーカーからものすごいボリュームで音楽を流している。 フィリピン人は音にうるさいとはそう言うことだったのだ。
この「いかだ」はなかなかイカス。12畳はあるだろうか。波が来ても安定しているのだ。海の上でプカプカしていたいと誰しもが思う人間の夢を見事に実現している。巨大な竹が足に心地よく、一日中青竹踏みをしていようなもんで、頭から足まで最高!
でもこの日は曇りだったので、ちょっと残念でした。
これはマニラ市街を走る乗り合いタクシー「ジプニー」だ。
7円ぐらいで乗れるのだ。好き勝手にブリキの車に模様を描き、ブイブイいわしてる。おもちゃのジプニーもこりゃまた可愛いのだ。
買いそびれたけど。
「カマヤン」というフィリピン料理を食べさせてくれるストランで食事をすることに。このレストランでの食べ方は何と料理を直接手掴み。始めは慣れなかったけど、このおかげで手で食べる食事の楽しさを知ったのさ。そして、店のお姉さんと三人仲良くマニラの正装。実物はもっと可愛い。スペインの血が入っているのだろうか。最後に店での記念に手形を一発。キアポというダウンタウンにも行った。そしてこれはそのキアポ教会。なんとフィリピンはアジアの中でもとても信仰の厚いキリスト教カソリックの国。でもキューピーみたいな人形にTシャツ着せてレザリオを持たすあたりが何ともいえない味だったなあ。
マニラのマンゴーは異常にうまい。日本で食べるマンゴーはガソリン臭いような苦みがあってどうも頂けない。
マニラの果物農園は、実に無造作だ。パイナッツプルやパパイア、訳の分からぬ巨大な果物がジャングルにあるように栽培されている。
その農園で巡り会った可憐な少女マリーガ。少女と呼ぶにはまだ早すぎる7歳になったばかりだ。コケテッシュな瞳はもう自分が美しくなる事を知っている。マニラの想い出は、とろける美味しさのマンゴーとマリーガを膝に抱いた感触が重なる。「マンゴーとマリーガ」なんとも響きのいいメルヘンチックな香りがするではないか。
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